「輸入許可が出た後で、納めた関税が違っていたと気づいた。どう直せばよいの?」
こんなときに整理したいのが、修正申告と更正の請求の違いです。基本は、納めた税額が不足しているか、過大だったかで分けます。
この記事では、一般の輸入貨物について、輸入許可後に税額の誤りを見つけた場合を中心に解説します。納税方式の全体像は、申告納税方式と賦課課税方式の基本と併せて確認してください。
出典:税関カスタムスアンサー1305「納税申告に誤りがあった場合」
具体例で確認!どちらの手続きになる?

例1:本来より少なく納めていた
説明のため、正しい関税額が12万円、申告・納付した関税額が10万円だったと仮定します。不足は2万円なので、修正申告による追加納税を検討する場面です。
実際には、関税の訂正が輸入消費税等に影響することもあります。「差額2万円を振り込めば終わり」と判断せず、申告全体を確認しましょう。
例2:本来より多く納めていた
正しい関税額が8万円、納めた関税額が10万円だったと仮定します。過大な2万円について、更正の請求を検討する場面です。
例えば同じ費用を二重に計上していたなら、元の請求書と計算明細を並べて、どの金額が重複したかを説明します。単に「払いすぎたと思う」と伝えるより、原因と根拠を示すことが大切です。
この2例は手続きを選ぶための仮定例であり、実際の税率や申告額を示すものではありません。
期限と納付時期で押さえたいポイント
更正の請求は原則として輸入許可の日から5年以内
一般の輸入貨物では、更正の請求ができる期間は、原則として輸入許可を受けた日から5年以内です。発見した日から5年ではありません。
特例申告貨物や輸入許可前引取承認などには別の取扱いがあります。試験でも実務でも、通常の貨物なのか、特別な条件があるのかを先に確認してください。
修正申告は追加納税の準備も同時に進める
輸入許可後の修正申告による増加税額は、基本的に修正申告書を提出する日に納付します。先に書類だけ提出し、納付は翌月でよい、とは考えないようにしましょう。
税関の基本通達では、修正申告の方法や、更正の請求の提出先・処理が整理されています。対象の申告について、すでに税関の更正があったかも含め、担当者に確認します。
過少申告加算税と延滞税は分けて確認
不足分を訂正するときは、本来の税金のほかに、過少申告加算税や延滞税の扱いも確認します。この2つは同じものではありません。
- 過少申告加算税:調査通知や更正を予知した時期などにより取扱いが変わる。
- 延滞税:法定納期限や納付日などに基づいて別に確認する。
税関の案内では、調査通知前の自主的な修正申告には過少申告加算税がかからないと説明されています。ただし、それだけで延滞税も不要になるわけではありません。誤りを見つけたら放置せず、早めに相談しましょう。
税関・通関業者へ相談する前に用意する資料
- 輸入申告番号、申告日、輸入許可日を確認する。
- 申告した計算と、正しいと考える計算を並べる。
- インボイス、運賃・保険料の明細、契約資料などをそろえる。
- 間違いの原因と、金額への影響を短くまとめる。
- ほかの申告にも同じ誤りがないか調べる。
更正請求書には、請求前・更正後の税額や請求理由などを記載します。税関様式の注意書きでも、理由の根拠となる事実を証明する書類等の提出が求められていま
試験対策のポイントとまとめ
通関士試験の学習では、不足→修正申告、過大→更正の請求、税関が行う処分→更正と、税額の方向と手続きの主体を結び付けましょう。
実務では、金額の大小だけでなく、対象の申告・原因・資料・期限をそろえて相談することが第一歩です。税額が変わらない品名等の訂正まで、同じ方法で処理できると決めつけないようにしてください。
関連記事もチェック
用語がまだ難しい方は、入門書で輸入手続きの流れを確認してから、受験年度に対応した教材で条文と具体例を復習してみてください。


