「VGMを提出してくださいと言われたけれど、パッキングリストの重量を伝えればよいの?」「空コンテナの重さも必要?」
海上輸送の手配では、貨物の重量とコンテナ全体の重量を分けて考える場面があります。そこで押さえたいのがVGM(Verified Gross Mass:確定したコンテナ総重量)です。
この記事では、VGMの意味、重量の範囲、2つの確定方法、提出前のチェックポイントをやさしく解説します。輸送方法の基本はFCL・LCLの違いから確認できます。
VGMとは?船積み前に確定するコンテナ総重量
安全に船へ積むための重量情報
VGMは、貨物を収納した状態のコンテナの総重量を、定められた方法で確定したものです。SOLAS条約に基づく仕組みで、対象となる実入りコンテナを船積みするための条件となります。
船は重量情報を使って積み付け計画を立てます。軽く申告されたコンテナが実際には重かった、という状態を防ぐことが、安全な海上輸送につながります。VGMを伝えれば船積みが必ず保証される、という意味ではありません。
グロスウェイトと同じ数値とは限らない
パッキングリストなどのグロスウェイトは、一般に商品と包装を含む貨物側の総重量です。一方、VGMはコンテナ自体の重さも含めた総重量を扱います。
- ネットウェイト:商品の正味重量
- 貨物のグロスウェイト:商品と包装などを含む重量
- VGM:収納物と空コンテナを含む確定総重量
ただし、書類によって「G/W」に含める範囲は確認が必要です。パレットや固定材を含んでいるかを確かめ、含まれている重量を二重に足さないようにしましょう。
VGMはどう計算する?2つの確定方法

方法1は全体を計量、方法2は個別重量を合算
| 比較項目 | 方法1 | 方法2 |
|---|---|---|
| 基本 | 実入りコンテナを計量 | 個別重量と空コンテナ重量を合算 |
| 確認の重点 | 総重量を適切に計れるか | 収納物を漏れなく数えたか |
| 共通の前提 | 適切な計量器・手順 | 適切な計量器・手順 |
国土交通省の制度では、方法1・方法2のいずれでも、必要な届出・登録や計量器、業務実施手順などの要件を満たして重量を確定します。概算を足しただけの数字を、そのままVGMとして提出することはできません。
計算例:空コンテナと固定材を忘れない
次は、方法2の足し合わせ方を理解するための仮定の例です。
- 商品と外装箱:8,000kg
- 上記に含まれないパレット・固定材など:300kg
- 使用する空コンテナ:2,200kg
8,000+300+2,200=10,500kgが合計になります。空コンテナの重量は一律ではありません。実際に使用するコンテナの表示や船会社の情報を確認します。
「商品だけ」「商品と段ボールだけ」で止めず、積み込み後に加わる部材まで洗い出すことがポイントです。実際の確定は、担当事業者の適正な手順で行ってください。
VGMは誰が確定し、いつまでに提出するの?
荷送人と重量確定を行う事業者を確認する
日本の制度では、自ら総重量を確定する荷送人には届出、荷送人に代わって確定する事業者には登録が必要です。「輸出者だから必ず自社で計量する」「フォワーダーに頼めば何も確認しなくてよい」とは限りません。
依頼時には、誰が重量を確定するのか、誰が船会社やターミナルへ伝えるのか、どの重量資料をこちらが用意するのかを確認しましょう。B/L上の荷送人の確認にはB/L(船荷証券)の基本も役立ちます。
VGMの締切は予約した便ごとに確認
VGMは、船積み計画に使えるよう十分前に伝える必要があります。実務上の提出方法・締切は、船会社やターミナルの案内で確認します。全国共通で「出港の何日前」と決めつけないことが大切です。
例えばOOCLの日本向け案内では、搬入票を使う提出方法や、正確な重量がCY CUTまでに申告されない場合の不積みの可能性が示されています。これは一社の案内なので、他社便へそのまま当てはめず、利用便の最新案内を優先してください。
参考:OOCL「VGM」。締切の用語はCut日(カット日)の基本で整理できます。
実務で注意したいチェックポイント
- コンテナ番号と重量データが同じコンテナを指しているか
- kg・tなどの単位が統一されているか
- 空コンテナ、パレット、固定材の漏れや二重計上がないか
- 確定者の情報・署名など、指定された提出項目がそろっているか
- 貨物の追加・積み替えで重量が変わったときの訂正先を把握したか
国土交通省のガイドラインでは、重量確定の手順や情報の伝達について整理されています。「数字を受け取った」で終わらせず、対象・単位・提出完了まで確認すると、連絡の行き違いを減らせます。
根拠:国土交通省「国際海上輸出コンテナ総重量確定方法ガイドライン」
よくある質問(Q&A)
LCLならVGMを気にしなくてもよい?
LCLでも最終的にはコンテナにまとめて船積みされます。小口の荷主が自分の貨物重量を伝えることと、混載後のコンテナ総重量を確定することは別です。混載業者から求められる重量資料と締切を確認しましょう。
目も異なるためです。指定の方法で受け付けられたかまで確認してください。
まとめ:VGMは「何を含む重量か」を押さえよう
VGMは、商品だけでなく収納物と空コンテナを含めて確定する総重量です。2つの確定方法、担当者、提出先・期限を分けて確認することが実務の基本になります。
まずは次の輸出手配で、「誰が確定し、どの資料を、いつまでに渡すのか」を一枚のメモに整理してみましょう。

