はじめに｜ホワイト国・グループAってなに？
貿易に関するニュースなどで、「ホワイト国」や「グループA」といった言葉を目にすることがありますよね。
でも、「何を基準に決めてるの？」「今はどの国が対象なの？」と疑問に感じている方も多いはずです。
この記事では、輸出管理の基本用語である「グループA（旧ホワイト国）」について、初心者にもわかりやすく解説します。
グループA（旧ホワイト国）とは？
グループAとは、日本の輸出管理制度における「輸出手続きが比較的緩やかな国」のことです。
◆旧名称は「ホワイト国」
かつては「ホワイト国」と呼ばれていましたが、2019年8月に名称が「グループA」へ変更されました。
これは、日本が輸出管理制度を再編し、各国の取り扱いを4つのグループ（A～D）に分類する形へ移行したためです。
◆グループAに指定されると何が違う？
グループAに属する国は、安全保障上信頼できる国として、日本からの輸出が一部優遇されます。
具体的には、キャッチオール規制（輸出先や用途が懸念される場合の包括的な審査）の一部が免除されます。
キャッチオール規制についてはこちらの記事をご覧ください👉
貿易用語「キャッチオール規制」とは？初心者にもわかる簡単解説ガイド
グループAに属する国の最新一覧
2025年7月現在、グループAに指定されている主な国々は以下の通りです。
| 国名 | 備考 |
|---|---|
| アメリカ合衆国 | 戦略物資管理協定に基づく |
| イギリス | EU離脱後も維持 |
| ドイツ | EU加盟国 |
| フランス | EU加盟国 |
| カナダ | 安全保障協力国 |
| 韓国 | 一時除外されたが再指定（2023年） |
| オーストラリア | 信頼国として長年指定 |
グループA〜Dの違いとは？
輸出管理上、各国は以下のように分類されます：
| グループ | 特徴 | 対象国例 |
|---|---|---|
| A | 安全保障上信頼できる国 | 米国、韓国、EU諸国など |
| B | 一般国（輸出許可が必要なケースあり） | インド、インドネシアなど |
| C | 要注意国 | 中国、タイなど |
| D | 輸出管理が極めて厳しい国 | 北朝鮮、イランなど |
なぜ「ホワイト国」から「グループA」に変わったのか？
かつての「ホワイト国」という呼称には、「特別待遇」といった印象が強く、外交上の摩擦の原因になることもありました。
そのため、輸出管理の透明性と国際的整合性を高める目的で「グループ制」へ変更されました。
現在では、「グループA」という呼称が公式のものとして使われています。
実務でどう使われる？グループAのメリット
輸出実務において、グループAに指定されている国との取引には以下のようなメリットがあります。
-
手続きがスムーズ
→ 輸出許可の申請が不要なケースも多く、スピード感のある貿易が可能 -
該非判定が容易
→ 「輸出しようとする物」がリスト規制品かどうかの確認がしやすい -
キャッチオール規制の免除
→ 一定の条件を満たせば包括的な規制対象から外れる
通関士試験でも、外為法の貿易管理令について出題されます。「グループA」「キャッチオール規制」などの基礎知識があれば、学習がよりスムーズに進むでしょう。
よくある質問（Q&A）
Q1：グループAとホワイト国は同じ意味ですか？
→ 基本的には同じですが、現在は「グループA」が正式な呼称です。
Q2：韓国は今、グループAですか？
→ はい。2019年に除外された後、2023年に再指定されました。
Q3：グループの分類は変更されることがありますか？
→ あります。安全保障や外交状況に応じて見直しされることがあります。
まとめ｜グループAを理解すれば輸出管理がわかる！
「グループA（旧ホワイト国）」は、日本の輸出管理制度における基礎知識です。
初心者の方も、この用語の意味を理解することで、貿易や通関のニュースがぐっと理解しやすくなります。
通関士試験を目指す方にとっても、押さえておくべきキーワードの一つです。
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