定義を理解しよう:通関士試験対策
関税法の学習を進めるにあたり、まず押さえておきたいのが「関税法第2条の定義」です。この記事では、関税法第2条に記載された基本的な用語とその意味を解説します。試験対策としても非常に重要な部分であり、これを理解することで、実務においても大きな力になります。
概要
関税法第2条には、輸出入に関する基本的な用語が定義されています。この部分は今後の学習における土台となるので、しっかりと理解することが求められます。日常で使用する一般的な言葉と、関税法における定義が異なることもあるため、正確に理解することが大切です。
試験対策として活用する方法
関税法第2条の定義に関する問題は、通関士試験で頻出します。
- 「次のうち輸入に該当するものはどれか?」といった選択問題
- 条文が抜粋された穴埋め問題
特に穴埋め問題では、細かい表現の違いが問われるため、条文を正確に理解し記憶することが重要です。過去問を中心に学習し、定義を確実に覚えておきましょう。
定義についての解説:通関士試験対策
次に、関税法第2条の各項目について詳しく解説していきます。実務にも直結する部分ですので、しっかりと理解しておきましょう。
輸入・輸出の定義
関税法第2条(定義)
この法律又はこの法律に基づく命令において、次の各号に掲げる用語は、当該各号に掲げる定義に従うものとする。
- 「輸入」とは、外国から本邦に到着した貨物(外国の船舶により公海で採捕された水産物を含む。)又は輸出の許可を受けた貨物を本邦に(保税地域を経由するものについては、保税地域を経て本邦に)引き取ることをいう。
- 「輸出」とは、内国貨物を外国に向けて送り出すことをいう。
- 「外国貨物」とは、輸出の許可を受けた貨物及び外国から本邦に到着した貨物(外国の船舶により公海で採捕された水産物を含む。)で輸入が許可される前のものをいう
- 「内国貨物」とは、本邦にある貨物で外国貨物でないもの及び本邦の船舶により公海で採捕された水産物をいう。
- 「附帯税」とは、関税のうち延滞税、過少申告加算税、無申告加算税及び重加算税をいう。
- 「外国貿易船」とは、外国貿易のため本邦と外国との間を往来する船舶をいう。
- 「外国貿易機」とは、外国貿易のため本邦と外国との間を往来する航空機をいう。
- 「沿海通航船」とは、本邦と外国との間を往来する船舶以外の船舶をいう。
- 「国内航空機」とは、本邦と外国との間を往来する航空機以外の航空機をいう。
- 「船用品」とは、燃料、飲食物その他の消耗品及び帆布、綱、じう器その他これらに類する貨物で、船舶において使用するものをいう。
- 「機用品」とは、航空機において使用する貨物で、船用品に準ずるものをいう。
- 「開港」とは、貨物の輸出及び輸入並びに外国貿易船の入港及び出港その他の事情を勘案して政令で定める港をいう。
- 「税関空港」とは、貨物の輸出及び輸入並びに外国貿易機の入港及び出港その他の事情を勘案して政令で定める空港をいう。
- 「不開港」とは、港、空港その他これらに代り使用される場所で、開港及び税関空港以外のものをいう。
試験対策ポイント
- 関税法第2条では、輸入に関する定義が規定されています。例えば、外国の船舶が公海で採捕した水産物は、領海以外で採捕されたものでも、日本に引き取る場合は「輸入」とみなされます。
- 公海での採捕について、外国の船舶が採ったものは外国貨物として扱われ、日本の船舶が採ったものは内国貨物となります。この区別を理解することで、試験でも確実に得点することができます。なお、排他的経済水域も同様の考え方です。
- また、輸出に関しても、輸出申告を行い、税関の許可を得ることで貨物は外国貨物とみなされます。この境界を正しく理解することが、関税法の学習の基本となります。
- 附帯税については、頻出問題です。この条文の文章を丸暗記しましょう。
- 「外国貿易船」「外国貿易機」共に【外国貿易のため】という語句がキーワードとなっております。
- 開港、不開港についても簡単に確認が必要です。
みなし輸入の規定
関税法第2条第2項、第3項(定義)
公海で採捕された水産物には、本邦の排他的経済水域の海域及び外国の排他的経済水域の海域で採捕された水産物を含むものとする。
外国貨物が輸入される前に本邦において使用され、又は消費される場合(保税地域においてこの法律により認められたところに従つて外国貨物が使用され、又は消費される場合その他政令で定める場合を除く。)には、その使用し、又は消費する者がその使用又は消費の時に当該貨物を輸入するものとみなす。
関税法施行令第1条の2(使用又は消費を輸入とみなさない場合)
輸入とみなす場合に規定する政令で定める場合は、次に掲げる場合とする。
- 本邦と外国との間を往来する船舶又は航空機に積まれている外国貨物である船用品又は機用品を当該船舶又は航空機においてその本来の用途に従つて使用し、又は消費する場合
- 旅客又は乗組員がその携帯品である外国貨物をその個人的な用途に供するため使用し、又は消費する場合
- 税関職員の権限の規定により税関職員が採取した外国貨物の見本を当該貨物についての同号の検査のため使用し、若しくは消費する場合又は食品衛生法、植物防疫法その他の法律の規定により権限のある公務員が収去した外国貨物をその権限に基づいて使用し、若しくは消費する場合
試験対策ポイント
- 関税法第2条2項および3項では、みなし輸入に関する規定が定められています。特に、関税法施行令第1条の2には、みなし輸入の具体的な内容が記載されている。
- みなし輸入とは、外国貨物が輸入される前に本邦で使用または消費される場合、その時点で輸入と見なす規定。例えば、展示会で外国貨物を試食する場合などがこれに該当。
- 試験ではみなし輸入の例外規定が出題される。
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まとめ
関税法第2条の定義は、関税法の基礎であり、試験でも必ず出題される重要な部分です。条文の正確な理解と、過去問を活用した対策を行うことで、確実に得点源とすることができます。
次回は、関税法第2条の具体的な条文の解釈を深掘りし、より実践的な学習を進めていきます。
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