ATAカルネの基礎知識

国際展示会、商談会、海外での撮影・イベントなどで「機材やサンプル品を一時的に海外へ持ち出す」ケースは多くあります。
そんなときに面倒な通関手続きを一気にラクにしてくれるのが ATAカルネ(通関手帳) です。
本記事では、貿易未経験の方でも5分で理解できるように、
仕組み・料金・使える品目・手続きの流れ・注意点 をやさしく解説します。
ATAカルネとは?
海外へ“販売しない物品”を一時的に持ち込むための国際証明書
ATAカルネは、物品を一定期間だけ海外へ持ち出す際に使える 国際的な通関証明書 です。
展示会・イベント・撮影・技能実演など「消費しない物品」に利用でき、通常必要な関税・消費税などが免除されます。
イメージとしては…
物品用パスポート
(スタンプを押しながら各国を行き来できる)
というイメージがもっとも近いでしょう。
ATAカルネが使える品目
ATAカルネが使えるのは、主に以下の3種類です。
展示会・見本市用の展示品
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展示会に出す製品サンプル
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企業PR用のプロトタイプ
職業用機材
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カメラ機材
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音響設備
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スポーツ用品
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職人の工具
商業サンプル
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営業用サンプル品(※販売目的はNG)
ATAカルネが使えないもの
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日本へ持ち帰らないもの
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医薬品
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販売してしまう予定の物品
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海外で消耗・破損が想定される物品
どの国で使える?(ATA条約加盟国)
ATAカルネは 約80以上の国と地域 で利用できますが、持ち込もうとする国が、ATA条約に加盟していることが絶対条件となります。
代表的な国:
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米国
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カナダ
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EU加盟国
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韓国
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タイ
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シンガポール
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オーストラリア など
国ごとに対象品目が異なる場合もありますので、利用前に確認しましょう。
ATAカルネのメリット(初心者はここが重要!)
① 関税・消費税の支払いが不要
通常の一時輸出に比べて圧倒的に手間が減ります。
② 通関がスムーズ
スタンプを提示するだけで手続き完了することが多く、待ち時間が減ります。
③ 1冊あれば複数国で使える
有効期間は通常1年間。期間中は何度も再利用可能です。
ATAカルネの料金(発行手数料・保証金)
ATAカルネの発行費用は以下の2つで構成されます。
発行手数料
おおむね 2万円台〜数万円 程度(品目数によって変動)
担保・保証金
物品の価格総額に応じて必要
(※日本商工会議所の保証制度を利用すると免除できる場合あり)
※正確な金額は申請内容によって異なるため、要確認。
ATAカルネの使い方|初心者向けのやさしい手続きの流れ
STEP1 日本商工会議所(JCCI)および日本商工会議所へ申請
オンライン or 書類で申請します。
物品リスト(HSコード不要)、使用目的、予定国などを提出。
STEP2 ATAカルネを受け取る
通常の冊子形式。通関手帳のように綴られています。
STEP3 日本出国時に税関でスタンプを受ける
これを忘れると使用不可になるので最重要!
STEP4 渡航先の税関で提示して入国処理
国ごとに指定ゲートがあります。
STEP5 帰国後、日本税関で最終手続き
借りた物品を全て持ち帰ったことを証明します。
よくある注意点|トラブル事例から学ぶポイント
● 入出国のスタンプ漏れ
もっとも多いトラブル。
→ 出入国のたびに必ず税関窓口でスタンプを確認。
● 物品リストと異なる内容を持ち込む
数量・シリアル番号の違いもNG。
● 期限切れ
有効期間は通常1年。
長期の海外展示会は注意。
● 現地で販売してしまう
完全にルール違反。追徴課税の対象になります。
ATAカルネはどんな企業・人に向いている?
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海外展示会に出展する企業
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撮影・ロケ・放送関係
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美術展・舞台・ライブなどの技術スタッフ
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機材を持って海外へ行くエンジニア
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商談で“現物サンプル”をよく使う営業職
「何度も海外に機材を持ち込む」ほど、恩恵が大きい制度です。
よくある質問(Q&A)
Q1:ATAカルネは個人でも使えますか?

→ はい。個人でも利用可能です。
Q2:有効期間はどれくらい?

→ 通常 1年間。期間内は複数回利用できます。
Q3:紛失したらどうすれば?

→ すぐに発行機関へ連絡して再発行手続きが必要です。
まとめ|ATAカルネを使いこなして海外ビジネスをもっと快適に
ATAカルネは、展示会・商談・撮影などで海外へ物品を持ち込む際に大きな力を発揮します。
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税金の免除
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通関手続きの簡略化
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時間短縮
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コスト削減
初心者でも覚えておく価値の高い貿易制度です。
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ATAカルネは一時輸出入の代表的な制度ですが、
実務では 通関・輸送・輸出管理 など、関連する知識が必要になります。
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