三国間貿易ってなに?よく聞くけどよくわからない…
「三国間貿易(仲介貿易)」という言葉、貿易の現場や試験勉強で見かけることがあるけれど、どんな取引なの?と疑問に思う人も多いのではないでしょうか。
この記事では、貿易初心者や通関士試験の受験生に向けて、「三国間貿易」の意味、流れ、書類、メリット・デメリットまでやさしく解説します。
三国間貿易(仲介貿易)とは?やさしく定義を解説
三国間貿易(仲介貿易)とは、文字どおり「三つの国」が関わる貿易のこと。具体的には、以下のような取引形態を指します:
- 商品は「輸出国 → 輸入国」に直接送られる
- でも、売買契約や支払いは「第三国の仲介者」を通して行われる
たとえば…
- A国(日本)が仲介
- B国(オーストラリア)が輸出
- C国(アメリカ)が輸入
このように、日本の企業が契約と決済だけに関わり、貨物は中国→アメリカに直送される取引が「三国間貿易」です。
三国間貿易の流れをかんたんに図解!
初心者でもわかりやすいよう、三国間貿易の基本的な流れを以下にまとめます:
- 【契約】
日本企業(A)が輸出者(B)と売買契約
日本企業(A)が輸入者(C)とも売買契約 - 【輸送】
貨物は輸出国(B)→輸入国(C)へ直送 - 【書類】
輸出者→仲介者→輸入者にインボイス等の書類を発行 - 【決済】
輸入者(C)が仲介者(A)に支払い
仲介者(A)が輸出者(B)に支払い
よく使う書類や用語もチェック!
三国間貿易で登場する代表的な書類は以下の通りです:
- Commercial Invoice(商業送り状)
→ 輸出者から仲介者、仲介者から輸入者にそれぞれ発行 - B/L(船荷証券)
→ 通常は輸出者から輸入者へ直接発行 - 第三国インボイス(Third Country Invoice)
→ 仲介者が発行するインボイスで、実際に貨物を扱っていなくても必要。荷送り人(Shipper)と受取人(consignee)、買値と売値を差し替える必要がある
三国間貿易のメリット・デメリットは?
メリット
- 商品を持たずに国際取引に関われる(在庫リスクなし)
- 商流を拡大できる(仲介ビジネスとして活用できる)
- 為替差益や価格差益が得られることも
デメリット
- 書類ミスが命取りに(税関手続きが複雑になることも)
- 輸出入国の法規制に注意が必要
- 信用リスク(輸出者・輸入者との信頼関係が重要)
三国間貿易Q&A
Q1:通関士試験に三国間貿易は出題されますか?

A:出題はされません。ですが、「取引形態の理解」や「インボイス・契約構造の整理」として知っておくと実務に役立ちます。
Q2:三国間貿易とコンソリデーションの違いは?

A:コンソリデーションは貨物の集約、三国間貿易は商流の仕組みに関する用語です。
Q3:仲介貿易の請求金額はどう設定する?

A:仲介者は輸出者からの仕入価格にマージンを上乗せして、輸入者に販売します。
Q4:三国間貿易(仲介貿易)で注意することはありますか

A:特に「書類の差し替え」に注意が必要です。書類管理のミスは信用問題や大きなトラブルにつながる可能性が高いですので注意が必要です。
まとめ:三国間貿易は「関わらない国も貿易できる」チャンス!
三国間貿易(仲介貿易)は、実際に商品を扱わずに貿易に関われる便利な取引形態。初めての方でも「三つの国」「書類の流れ」「契約の流れ」を押さえれば、理解が深まります。
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