【貿易用語】「リスト規制」をやさしく解説｜該非判定・少額特例

貿易用語集

2025.05.262025.05.29

はじめに：リスト規制ってなに？まずは全体像をつかもう

「リスト規制」という言葉、貿易関係の資料やニュースで見かけたことはありませんか？
「なんだか難しそう…」「自分には関係ないかも」と感じる方もいるかもしれません。

でも、これから貿易の仕事に関わる方や、関連業務を目指す人にとっては避けて通れない基本用語の一つです。
この記事では、リスト規制とは何か、対象品目、該非判定の方法、そしてよくある疑問まで、初心者向けにわかりやすく解説します。

リスト規制とは、武器や軍事転用可能な製品・技術が無関係な国や団体に輸出されないように、政府が定めた「輸出制限ルール」のことです。

日本では経済産業省が定める「輸出貿易管理令別表1」に記載された特定の貨物や技術が対象になっており、これらは勝手に輸出することができません。

リスト規制の対象は、大きく分けて次の2つです。

これらの技術や製品は、民間で使われることもありますが、軍事目的に転用されるリスクがあるため、規制の対象となっています。

では、自社の商品や技術がリスト規制の対象かどうかを、どうやって調べればよいのでしょうか？

ここで登場するのが該非判定（がいひはんてい）です。

リスト規制とセットでよく登場するのがキャッチオール規制です。
この2つは混同されがちですが、対象や目的が異なります。

規制の種類	対象	特徴
リスト規制	「リストに載っている」貨物・技術	明確に定義された対象
キャッチオール規制	リスト外でも「懸念がある」場合	用途や相手先で判断

一部の場合は、リスト規制の対象であっても「例外」として輸出できるケースもあります。

少額（たとえば10万円未満など）の輸出であれば、一定の条件を満たすことで輸出許可が不要になる制度です。
ただし、国や用途によっては対象外になるため注意が必要です。

たとえ「非該当」だと判断しても、該非判定書などの記録を残すことで後々のトラブルを防げます。

A. 基本的には可能ですが、不安な場合は仕入れ先、または、社内の技術担当やメーカーに確認し、必要であれば専門家に相談するのがおすすめです。

A. 一見「普通のモノ」でも、暗号機能や高性能部品などが含まれていれば対象になる可能性があります。

A. 法令違反と見なされ、輸出禁止や罰金、場合によっては刑事罰の対象になることもあります。

貿易実務では、英文仕様書や該非判定資料など、英語でのやり取りも避けて通れません。
「英語が不安…」という方も、まずは日常英会話から始めてみませんか？

リスト規制は、貿易初心者にとって少しとっつきにくい用語かもしれません。
でも、この記事で概要と対象品目、該非判定の流れまで理解できたあなたは、すでに第一歩を踏み出しています！