アメリカンランドブリッジとは？仕組み・特徴・シベリアルートまで解説

国際物流のニュースや貿易実務の教材で「アメリカンランドブリッジ」「ランドブリッジ輸送」といった言葉を見たことはありませんか？

これは、「大陸を鉄道で横断し、海上輸送と組み合わせて最速・最適に貨物を運ぶ輸送方式」のことです。

本記事では、初心者の方でも理解できるように、

といった内容をやさしく解説します。

貿易業界を目指している学生・社会人はもちろん、
国際情勢や物流のしくみを学びたい方にもおすすめの内容です。

アメリカンランドブリッジとは？

アメリカンランドブリッジ（ALB：American Land Bridge）とは、

アジア → アメリカ西海岸（港） → 鉄道でアメリカ横断 → アメリカ東海岸（港） → 欧州・中南米へ輸送

という国際輸送の仕組みです。

通常、アジアから欧州や米東海岸へ向かうには
パナマ運河を経由して海上輸送するルート が使われます。

しかし、この方法は距離が長く、混雑しやすいことから、
アメリカを鉄道で横断したほうが早くて安定する
というメリットが注目されてきました。

アメリカンランドブリッジが選ばれる理由を、初心者向けにまとめました。

アジア → 欧州間の輸送が 約7〜10日 短縮されることもあります。

鉄道輸送は天候の影響を受けにくく、
航路の渋滞（混雑）もありません。

を避けられるため、結果的にトータルコストが下がるケースもあります。

港から鉄道、鉄道から港へのシンプルなルート構成。
コンテナのトラブルや紛失リスクも少なめです。

最も使われるルートは次のとおりです。

アメリカは鉄道網が非常に発達しているため、
「海 → 陸 → 海」のスムーズな連携輸送が可能です。

ランドブリッジには種類があり、それぞれ特徴が異なります。

アジア → 米西 → 鉄道 → 米東 → 欧州など
国際間の大陸横断輸送で利用。

アジア → 米西 → 鉄道 → 米国内の内陸都市（例：シカゴ・ダラス）

アメリカ国内向け貨物で広く活用されています。

アジア → 米西 → 鉄道 → カナダ内陸やメキシコ方面へ接続

アメリカ国外の北米地域への輸送に有効。

シベリア・ランドブリッジ（Siberian Land Bridge：SLB）とは、

日本や韓国 → ロシア極東港（ウラジオストクなど） →　シベリア鉄道（TSR）で欧州へ一気に陸送するルートのことを指します。

※ ただし、近年は国際情勢の影響（制裁・保険・物流規制など）により、一般企業が利用するハードルが高くなっています。