通関士試験対策講座 関税率表の第84類~第89類を徹底解説
本シリーズでは、試験合格に向けて役立つ情報を講義形式で試験の出題範囲について解説します!
本日は関税率表の分類、第84類~第89類について学んでいきます。
関税率表は、関税率表の所属に基づいてそれぞれの品目ごとの関税率等が設定されており、この表をもとに、実際に輸出入する品目を分類していきます。今回は、第16部と第17部の解説と、どのような問題が出題されるか詳しく説明していきます。では始めましょう
通関士試験対策講座 第16部(第84類~第86類)にはどのようなものがあるの?
この部にはどのようなものがあるの?
この部は、機械類及び電気機器並びにこれらの部分品の部となります。ボイラーやエンジンといった大型の工業用機械から、スマートフォンや電動工具などの小型電気機器まで多岐にわたる製品が含まれます。
大きく分けて、第84類は大型の機械類が分類され、【大型の機械類】、第85類は食物用ミキサー及び果汁又は野菜ジュースの搾り機、かみそり、ヘアドライヤーなどの家庭用機械が分類され【小型の電気機器類】と分類を分けることが出来ます。試験で迷った際には参考に覚えておくとよいでしょう。
第84類 原子炉、ボイラー及び機械類並びにこれらの部分品


ポイント
- 注1(e),(f):真空式掃除機、家庭用電気機器、デジタルカメラは第85類に分類される。
- 注6(C), (D):単独で提示された場合、キーボード、ディスク記憶装置は、第84.71項に含まれます。ですが、単独で提示された場合であっても、プリンター、複写機、モニター及びプロジェクターは第 84.71 項に含まれない。
第85類 電気機器及びその部分品並びに録音機、音声再生機並びにテレビジョンの映 像及び音声の記録用又は再生用の機器並びにこれらの部分品及び附属品

出典税関HP https://www.customs.go.jp/tariff/2022_01_01/data/85r.pdf
ポイント
- ファン及びファンを自蔵する換気用又は循環用のフード、家庭用洗濯機、ミシンが第84類に分類される。
- 通常家庭で使用する種類の家庭用の機械類などは第85類に分類されるが、家庭用とはいえ、昔大きかったものについては、第84類に分類されるものもある。
- 「家庭用か業務用か」「電気機器かどうか」で分類を見極める
※以下2022年HSコード改定に伴う84類と85類の変更点をピックアップしました。改正点については、試験に出題される可能性もあるので、参考に活用してみてください。





通関士試験対策講座 第16部(第86類~第89類)にはどのようなものがあるの?
この部は、車両、航空機、船舶及び輸送機器関連品の部となります。輸送に関連する幅広い製品が含まれます。
第86類 鉄道用又は軌道用の機関車及び車両並びにこれらの部分品、鉄道又は軌道の 線路用装備品及びその部分品並びに機械式交通信号用機器(電気機械式のもの を含む。)

ポイント
- 木製やコンクリート製の鉄道用又は軌道用のまくら木は含まれない。過去問で出題された例あり、注意!
第87類 鉄道用及び軌道用以外の車両並びにその部分品及び附属品

出典税関HP https://www.customs.go.jp/tariff/2022_01_01/data/87r.pdf
ポイント
- 第87.12項に幼児用自転車は含まれるが、おもちゃの乗り物は第95.03項となる。
- 分類の違いを正確に把握することが重要
第88類 航空機及び宇宙飛行体並びにこれらの部分品

出典税関HP https://www.customs.go.jp/tariff/2022_01_01/data/88r.pdf
ポイント
- 2022年HSコード改定でドローンが含まれると明確化
第89類 船舶及び浮き構造物

出典税関HP https://www.customs.go.jp/tariff/2022_01_01/data/89r.pdf
ポイント
- 未完成の船舶もこの類に分類
試験対策はどうすればいいの?
第16部(第84類・第85類)と第17部(第86類~第89類)の違いを正確に理解することが重要です。以下のポイントを押さえておきましょう。
✅ 各類の基本的な分類基準を理解する(大型機械 vs. 小型電気機器、鉄道 vs. 自動車など)
✅ 試験でよく問われる品目を把握し、例外規定にも注意する(家庭用機器の分類例外、自転車とおもちゃの違いなど)
✅ 過去問を活用し、実際の出題傾向を分析する(特に頻出問題を繰り返し解く)
✅ HSコード改定による変更点を確認する(ドローンの分類変更など、最新情報を把握する。第84類と第85類は要注意!)
✅ 輸出入申告書の実務的な視点を持つ(実際の貿易業務に役立つ分類知識を意識する)
おすすめの教材・ツールを使用
試験対策や実務に役立つ教材やツールを以下に紹介します。学習を効率化し、確実に合格を目指しましょう!
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まとめ:ポイント
✅ 第84類と第85類は「機械類」と「電気機器」の分類であり、例外も存在する 。
✅ 第86類~第89類は「輸送機器関連」の分類であり、詳細な区分が試験に出題される
✅ 過去問や最新のHSコード改定をチェックし、試験対策を万全にする
勉強方法ももう一度チェックしておきましょう!
