通関士試験対策講座 関税率表の第64類~第71類を徹底解説
本シリーズでは、試験合格に向けて役立つ情報を講義形式で試験の出題範囲について解説します!
本日は関税率表の分類、第64類~第71類について学んでいきます。
関税率表は、関税率表の所属に基づいてそれぞれの品目ごとの関税率等が設定されており、この表をもとに、実際に輸出入する品目を分類していきます。
今回は、第12部から第14部の所属区分の解説と、どのような問題が出題されるか詳しく説明していきます。では始めましょう!
通関士試験対策講座 第12部(第64類~第67類)にはどのようなものがあるの?
この部は、履物、帽子、傘、つえ、シートステッキ及びむち並びにこれらの部分品、調製羽毛、羽毛製品、造花並びに人髪製品の部となります。
第64類 履物及びゲートルその他これに類する物品並びにこれらの部分品


ポイント
- スケート靴やスキー靴はこの類に分類される。
- がん具の靴及びアイススケートやローラースケートを取り付けたスケート靴は含まれない。
第65類 帽子及びその部分品

ポイント
-
帽子の分類は素材の違いが影響する。
第66類 傘、つえ、シートステッキ及びむち並びにこれらの部分品

- 護身用のつえは第93類に分類される。過去出題されています。
第67類 調製羽毛、羽毛製品、造花及び人髪製品

ポイント
- 人毛製のウィッグや付け毛などもこの類に分類される。
通関士試験対策講座 第13部(第68類~第70類)にはどのようなものがあるの?
この部は、石、プラスター、セメント、石綿、雲母その他これらに類する材料の製品、陶磁製品並びにガラス及びその製品がこの部となります。
例えば、雲母、炭素繊維、陶磁製の台所用流し、洗面台、浴槽、便器、自動車用ガラス、などの物品がこの部に含まれます。
第68類 石、プラスター、セメント、石綿、雲母その他これらに類する材料の製品

ポイント
- 大理石を加工した建築用の石やタイルなどの製品が含まれる。
- 雲母もこの類に分類される。過去出題されています。
第69類 陶磁製品

ポイント
- 800℃未満で加熱された製品はこの類に属さない。2022年のHSコード改正で分類基準が変更された内容です。
第70類 ガラス及びその製品

ポイント
- 注1 (c)、(f) 光ファイバーケーブル、光ファイバーはこの類に含まれない。
通関士試験対策講座 第14部(第71類)にはどのようなものがあるの?
この部には、天然又は養殖の真珠、貴石、半貴石、貴金属及び貴金属を張つた金属並びにこれらの製品、身辺用模造細貨類並びに貨幣がこの部となります。
例えば、天然真珠、ダイヤモンドなどの物品がこの部に含まれます。
第71類 天然又は養殖の真珠、貴石、半貴石、貴金属及び貴金属を張った金属並びにこれらの製品、身辺用模造細貨類並びに貨幣


出典税関HP https://www.customs.go.jp/zeikan/seido/classification/hs2022_shiryo.pdf
ポイント
- 合成ダイヤモンドの分類が2022年のHS品目表改正で明確化された。
- 貴金属の定義の種類を覚えること。
関税率表の第64類~第71類の試験対策はどうすればいいの?
第12部から第14部の分類は、通関実務の輸出入申告書作成の問題で頻出です。具体的には、
- 輸出入統計品目番号(HSコード)を関税率表から探し出す問題
- 「○○類に含まれないものをすべて選べ」などの選択式問題
が出題されることが多いです。ここでの分類を正しく理解していないと、試験で大きく失点してしまう可能性があります。
① 類注の確認を徹底する
輸出入申告書作成問題では、類注の理解が不可欠です。例えば、
- 第64類の注1(f):玩具の靴は含まれないが、スケート靴やスキー靴は分類される。
- 第68類の注:大理石を使用した建築材料の扱い。
- 第71類の注4(A):貴金属の定義。
試験では「この品目はどの類に属するか?」と問われるため、各類の類注を確認し、出題傾向を把握しておきましょう。
② 過去問演習を繰り返す
過去に出題された問題の品目分類をチェックし、どのような形式で問われるのかを確認しておくと、本試験でスムーズに対応できます。
特に、
- 履物の素材や構成要素による分類
- 陶磁製品の加熱温度による分類
- 貴金属や宝石の模造品と本物の区別
など、細かいポイントが試験に出題されるため、事前に演習しておくことが重要です。
③ 実行関税率表の活用
実行関税率表を参照しながら、
- 「この素材はどの類に分類されるのか?」
- 「複数の素材を含む場合、どの分類が適用されるのか?」
を確認しておくと、試験で迷うことが少なくなります。
④ 模擬試験で時間配分を意識する
通関士試験は時間との戦いでもあります。分類問題に時間をかけすぎると、ほかの問題に影響が出る可能性があります。そのため、
- 類注や基本的な分類ルールを暗記しておく
- 模擬試験を解いて、時間配分の練習をする
ことが重要です。
⑤おすすめの教材・ツールを使用
試験対策や実務に役立つ教材やツールを以下に紹介します。学習を効率化し、確実に合格を目指しましょう!
✅ 通関士試験に独学で一発合格おすすめできるテキスト

✅ 通関士対策講座

✅ おすすめの通信講座
販売されているテキストなどで通関士試験に独学で合格するすることは可能ですが、時間が限られている方やどうしても自分ひとりで学習を進めていくのが難しい方は、通信講座を利用することも検討してみてください!
アガルート
- 合格実績が高く、短期間での合格を目指せるカリキュラム。
- 通関士試験に特化したオリジナル教材。
- 講師による個別サポート付きで、質問しやすい環境。
【通関士試験対策】 過去問チャレンジ
まとめ
第12部から第14部の分類は、通関士試験において非常に重要な分野です。過去問演習や類注の確認を徹底し、試験に備えましょう!
本試験に向けて、類注や過去問を活用し、分類の基礎知識をしっかりと身につけておきましょう!
