海上保険と損害保険ってどう違うの？
貿易業務に出てくる「保険」には、似ているけど意味が違う用語がたくさん。特に、海上貨物を輸送する際に必要な“貿易保険”は、仕組みを知っておくことでトラブル時にも安心できます。 この記事では、海上保険と損害保険の違いや、どんなときに必要なのか、どうやって掛けるのかを、初心者向けにわかりやすく解説します！
貿易保険とは？基本の考え方をおさえよう
まずは「貿易保険」全体のイメージをつかみましょう。実は“貿易保険”という名前の保険は1種類ではなく、さまざまな種類があります。
- 「貿易保険」とは貿易取引で発生するリスクに備える保険の総称です。
- 代表的なのが「海上保険（Marine Insurance）」で、これは輸送中の貨物を守る保険です。
- 一方「損害保険」は一般的な火災や自動車事故などをカバーする保険。
- どちらも“モノを守る”保険ですが、用途や対象範囲が異なります。
- 誰が保険を掛けるかは「インコタームズ」の条件に左右されることもあります。
詳しくは[インコタームズとは？初心者向けに意味と使い方を解説]をご覧ください👉
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海上保険は貿易特有のリスクに対応
海上保険は、貿易取引において最も使われる保険のひとつです。船や飛行機で運ぶ貨物の「もしも」に備えます。
海上保険の主な特徴
- 輸送中の火災、沈没、盗難、破損などをカバーします。
- フォワーダー（貨物利用運送事業者）や保険会社を通して加入します。
- 定期的に貿易を行うなら「包括保険」、単発なら「個別保険」がおすすめです。
補償される主なリスク例
- 船舶事故による損傷
- 荷下ろし中の破損
- 荷物の盗難
掛けるタイミングは「出荷前」が基本で、貨物が輸送経路に入る前に加入しておきます。
損害保険との違いはここ！わかりやすく比較
名前が似ている「損害保険」と「海上保険」。実はカバーする内容や目的が少し違います。
| 項目 | 海上保険 | 損害保険 |
|---|---|---|
| 主な目的 | 輸送中の貨物損害の補償 | 一般的な財産・事故の補償 |
| 対象 | 貨物・輸送中のリスク | 建物、車、けがなど |
| 契約主体 | 輸出者・輸入者・フォワーダー | 個人・企業・施設管理者 |
| 特徴 | 国際輸送に特化 | 国内向けが中心 |
貿易実務での海上保険！掛け方や補償範囲を解説
保険付保のタイミングと手続き
- 保険が必要なタイミングは、インコタームズ（例：CIFやCIP）によって異なります。
- 掛け方の例：保険代理店やフォワーダーに依頼して契約書を作成。
- 補償範囲の選び方：「オールリスク」「FPA（分損不担保）」など。
補償範囲の違い
- オールリスク（All Risks）：ほとんどすべての偶然の事故を補償対象にします。最も広範囲なカバーが可能で、初心者にも安心です。
- FPA（Free from Particular Average／分損不担保）：全損や特定の条件による大きな損害のみ補償対象。保険料は抑えられますが、軽微な損害は対象外になる点に注意が必要です。
- WPA（With Particular Average）：FPAより広いカバーで、ある程度の部分損害も補償されます。オールリスクとFPAの中間といえます。
- 主な必要書類：インボイス、B/L（船荷証券）、パッキングリストなど。
ワンポイント：保険料はカバー範囲が広いほど高くなりますが、リスク管理の観点から「オールリスク」が安心です。
よくある質問（Q&A）
Q1：海上保険と輸出信用保険は違うの？
A：はい、違います。輸出信用保険は「代金未回収リスク」に備える保険で、支払い不能のときに使います。
Q2：包括保険と個別保険、どっちがいい？
A：定期的に取引があるなら包括保険、単発なら個別保険がおすすめです。
Q3：保険って相手が掛けてくれることもある？
A：はい、インコタームズの条件（例：CIF）によっては輸出者が保険を掛けることになっています。
まとめ｜海上保険を理解して、貿易のリスクに備えよう
貿易に保険はつきものです。「海上保険と損害保険の違い」を知ることで、トラブルに強くなり、安心して輸出入の仕事に取り組めるようになります。
特にこれから貿易実務を目指す方にとって、保険の知識は大きな武器になりますよ！まずは基本からしっかり押さえて、一歩ずつ前進していきましょう。
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