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【通関士試験対策】関税の減免戻し税制度を簡単に総まとめ!

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【通関士試験対策シリーズ】関税の減免戻し税制度

通関士試験では「関税定率法」に基づくさまざまな制度が問われますが、その中でも出題頻度が高いのが「減免戻し税」に関する条文です。

この記事では、減免・免税・関税の戻しが受けられる6つの代表的なケースを、関税定率法の条文ごとにわかりやすく整理し、重要な試験対策ポイントまで丁寧に解説します。


減免戻し税とは?

減免戻し税(げんめんもどしぜい)とは、輸入時に納める関税について、一定の条件を満たした場合に軽減・免除・払い戻しが受けられる制度です。

この制度は「関税定率法」に定められており、以下のような6つの代表的なケースが存在します。

関税定率法 対象ケース
第10条 変質・損傷した貨物
第11条 加工・修繕のための輸出→再輸入
第13条 原料品の製造使用に伴う減免
第15条 特定用途目的での免税
第17条 一時的な輸入→再輸出(展示など)
第20条 契約不適合品の返品・廃棄

【第10条】変質・損傷による減税・戻し税

関税定率法第10条(変質、損傷等の場合の減税又は戻し税等)

輸入貨物が輸入の許可(関税法第七十三条第一項(輸入の許可前における貨物の引取り)の規定により引き取ることを承認された貨物については、当該承認)前に変質し、又は損傷した場合においては、政令で定めるところにより、当該貨物の変質若しくは損傷による価値の減少に基づく価格の低下率を基準として、その関税を軽減し、又はその関税の額とその変質若しくは損傷後における性質及び数量により課税した場合における関税の額との差額以内において、その関税を軽減することができる。ただし、輸入貨物が輸入申告等の時までに変質し、又は損傷した場合には、価格の低下率を基準とする関税の軽減(数量を課税標準とする関税に係るものを除く。)については、この限りでない。

📝 試験対策ポイント

  • 「輸入申告〜許可前」に貨物が変質・損傷した場合が対象

  • 価値の低下分のみ軽減または戻しが可能

  • ただし、重量課税品(重量で関税が決まる貨物)は、重量が変わらなければ減税されない


【第11条】加工又は修繕のため輸出された貨物の減税

関税定率法第11条(加工又は修繕のため輸出された貨物の減税)

加工又は修繕のため本邦から輸出され、その輸出の許可の日から一年(一年を超えることがやむを得ないと認められる理由がある場合において、政令で定めるところにより税関長の承認を受けたときは、一年を超え税関長が指定する期間)以内に輸入される貨物加工のためのものについては、本邦においてその加工をすることが困難であると認められるものに限る。)については、政令で定めるところにより、当該輸入貨物の関税の額に、当該貨物が輸出の許可の際の性質及び形状により輸入されるものとした場合の課税価格の当該輸入貨物の課税価格に対する割合を乗じて算出した額の範囲内において、その関税を軽減することができる。

📝 試験対策ポイント

  • 本邦から輸出 → 海外で加工・修繕 → 再輸入

  • 1年以内に再輸入する必要あり(延長可)

  • 増加価値分(加工・修繕による価値上昇)だけに課税

  • 加工目的の場合、国内加工が困難であることが必要
  • 特例申告制度を使うときは、申告書に記載必須

【第13条】製造用原料品に対する減免・免税

関税定率法第13条(製造用原料品の減税又は免税)

次の各号に掲げる原料品で輸入され、その輸入の許可の日から一年以内に、税関長の承認を受けた製造工場で当該各号に掲げる製造が終了するものについては、政令で定めるところにより、その関税を軽減し、又は免除する。

  1. 飼料のうち政令で定めるものの製造に使用するためのこうりやんその他のグレーンソルガム及びとうもろこしその他の当該飼料の種類に応じた政令で定める原料品
  2. 落花生油の製造に使用するための落花生

📝 試験対策ポイント

  • 原材料を輸入し、税関長の承認を受けた製造工場での製造に使用する場合

  • 試験でよく出る例:とうもろこし → 飼料、落花生 → 落花生油

  • 輸入許可日から1年以内に製造完了すること


【第15条】特定用途による免税制度

関税定率法第15条(特定用途免税)

左の各号に掲げる貨物で輸入され、その輸入の許可の日から二年以内に当該各号に掲げる用途以外の用途に供されないものについては、政令で定めるところにより、その関税を免除する。
前項各号の規定により関税の免除を受けた貨物がその輸入の許可の日から二年以内に当該各号に掲げる用途以外の用途に供され、又は当該各号に掲げる用途以外の用途に供するため譲渡された場合においては、当該用途以外の用途に供し、又は当該譲渡をした者から、同項の規定により免除を受けた関税を、直ちに徴収する。但し、変質、損傷その他やむを得ない事由に因り当該各号に掲げる用途以外の用途に供する場合においては、第十条第一項の規定に準じてその関税を軽減することができる。

📝 試験対策ポイント

  • 教育・研究・社会福祉事業を行う施設に寄贈などの用途に限り免税対象

  • 2年以内に他の用途に使った場合は関税徴収

  • やむを得ず用途外となった場合(変質など)には例外あり


【第17条】一時輸入品の再輸出免税

関税定率法第17条

左の各号に掲げる貨物で輸入され、その輸入の許可の日から一年(第十一号に掲げる貨物については、政令で定める期間とし、これらの期間をこえることがやむを得ないと認められる理由があり、政令で定めるところにより税関長の承認を受けた貨物については、これらの期間をこえ、税関長が指定する期間とする。)以内に輸出されるものについては、政令で定めるところにより、その関税を免除する。第一項の規定により関税の免除を受けた貨物が同項の期間内に輸出されないこととなつた場合又は同項各号に掲げる用途以外の用途に供された場合においては、同項の規定により免除を受けた関税を、直ちに徴収する。

📝 試験対策ポイント

  • 展示会や国際イベントなどで一時的に輸入した物品が対象(典型的な例:オリンピック機材・展示品・報道用機器など)

  • 1年以内に再輸出すれば関税免除

  • 期間を過ぎると免税対象外になるので注意


【第20条】違約品の再輸出・廃棄時の戻し税

関税定率法第20条

関税を納付して輸入された貨物のうち次の各号のいずれかに該当するものでその輸入の時の性質及び形状に変更を加えないものを本邦から輸出するとき(第一号又は第二号に掲げる貨物にあつては、返送のため輸出するときに限る。)は、当該貨物がその輸入の許可の日から六月(六月を超えることがやむを得ないと認められる理由がある場合において、政令で定めるところにより税関長の承認を受けたときは、六月を超え一年以内において税関長が指定する期間。次項において同じ。)以内に保税地域(関税法第三十条第一項第二号(外国貨物を置く場所の制限)に規定する税関長が指定した場所を含む。次項、第四項及び第五項において同じ。)に入れられたものである場合に限り、政令で定めるところにより、その関税を払い戻すことができる。

  1. 品質又は数量等が契約の内容と相違するため返送することがやむを得ないと認められる貨物
  2. 個人的な使用に供する物品で政令で定める販売の方法により販売されたものであつて品質等が当該物品の輸入者が予期しなかつたものであるため返送することがやむを得ないと認められる貨物
  3. 輸入後において法令(これに基づく処分を含む。)によりその販売若しくは使用又はそれを用いた製品の販売若しくは使用が禁止されるに至つたため輸出することがやむを得ないと認められる貨物

📝 試験対策ポイント

  • 関税を納付済みだが、以下の理由で返品・廃棄する場合

    • 契約不一致(品質・数量)のため返送する場合

    • 契約の内容と相違するため返送する場合

    • 輸入後の法令改正等使用禁止された場合
  • 6か月以内に保税地域へ搬入されたもの、が対象。

  • 加工・使用されていない(原形のまま)が条件


通関士試験勉強のコツ:減免戻し税は“条件整理”と“目的別分類”がカギ!

通関士試験で出題されやすい「減免戻し税」は、以下の2点が攻略のコツです。

  1. 条文と条件をセットで覚える(特に年数・期間・目的)

  2. 「どの条文が適用されるか?」を判断できる力を養う

過去問を分析すると、条件違反や条文の混同を狙ったひっかけ問題が非常に多いです。

最初は覚える量が多く感じるかもしれませんが、「条文の性質」「目的」「適用条件」に沿って分類すれば、しっかり整理できるようになりますよ!


【通関士試験対策】過去問チャレンジ!

 

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関税定率法 減免戻し税

ここでは、過去出題された【関税定率法 減免戻し税】に関する問題を出題します。

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(第57回通関士試験より)

輸入貨物が、輸入申告の後、輸入の許可前に損傷した場合においては、関税定率法第10条第1項(変質、損傷等の場合の減税又は戻し税等)の規定により、当該貨物の損傷による価値の減少に基づく価格の低下率を基準として、その関税の軽減を受けることができない。

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(第57回通関士試験より)

輸入の許可を受けた貨物が、輸入の許可後引き続き、保税地域に置かれている間に、災害により滅失した場合においては、関税定率法第10条第2項(変質、損傷等の場合の減税又は戻し税等)の規定により、その関税(附帯税を除く。)の全部の払戻しを受けることができる。

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(第57回通関士試験より)

国際親善のため、国にその用に供するものとして寄贈される物品で輸入されるものは、その輸入の許可の日から2年以内にその用途以外の用途に供される場合であっても、関税定率法第15条第1項(特定用途免税)の規定により、その関税の免除を受けることができる。

4 / 9

(第57回通関士試験より)

赤十字国際機関から日本赤十字社に寄贈された器具で、日本赤十字社が直接医療用に使用するものと認められるもので輸入され、その輸入の許可の日から2年以内にその用途以外の用途に供されないものについては、関税定率法第15条第1項(特定用途免税)の規定により、その関税の免除を受けることができる。

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(第56回通関士試験より)

関税定率法第17条第1項(再輸出免税)の規定により関税を免除する場合においては、税関長は、その免除に係る関税の額に相当する担保を提供させることができる。

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(第56回通関士試験より)

本邦に住所を移転するため以外の目的で本邦に入国する者がその入国の際に別送して輸入する自動車については、関税定率法第14条(無条件免税)の規定による関税の免除を受けることができない。

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(第52回通関士試験より)

関税を納付して輸入された貨物のうち、品質が契約の内容と相違するため返送することがやむを得ないと認められるもので、その輸入の時の性質及び形状に変更を加えないものを、その輸入の許可の日から6月以内に保税地域に入れ、返送のため輸出する場合には、その関税の払戻しを受けることができる。

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(第52回通関士試験より)

関税を納付して輸入された貨物のうち、品質が契約の内容と相違するため返送することがやむを得ないと認められるものを、その輸入の許可の日から6月以内に保税地域に入れ、やむを得ないと認められる事由により輸出に代えて廃棄する場合であっても、その関税が払戻しされることはない。

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(第52回通関士試験より)

 関税を納付して輸入された布地であって、品質が契約の内容と相違するため返送することがやむを得ないと認められるものを、その輸入の許可の日から6月以内に保税地域に入れ、返送のため輸出する場合において、当該布地が輸入後に切断されているときは、当該切断が布地の素材としての性質及び形状を失わない程度の切断であっても、その関税が払戻しされることはない。

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まとめ

「減免戻し税」に関する条文は、貨物の状態や用途、再輸出の有無、期間制限など、試験でも実務でも非常に重要なテーマです。

通関士試験での得点源にもなりやすいため、それぞれの条文の対象ケース・キーワード・適用条件をしっかり押さえておきましょう!

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