貿易用語「コンバイン」ってなに?
貿易の現場では、専門用語がたくさん登場します。その中でもよく使われるのが「コンバイン」という言葉。コンバイン(combine)は「組み合わせる」「まとめる」という意味の英語ですが、貿易では少し特別な意味で使われます。
この記事では、「コンバインとは何か?」「どんな場面で使うのか?」をやさしく解説します。初めて貿易を学ぶ方や通関士試験の勉強をしている方にぴったりの内容です。
コンバインの意味をやさしく解説
コンバイン(Combine)とは? 貿易実務で「コンバイン」と言うと、複数の貨物や書類を1つにまとめて扱うことを指します。具体的には、以下のような場面で使われます:
- 複数のB/L(船荷証券)を1つのインボイスにまとめる
- 複数の輸出入貨物を1本の通関書類にまとめて処理する
- 複数のコンテナを1つの輸送スケジュールにまとめる
つまり、「バラバラのものを1つにして効率よく管理・手続きする」ことがコンバインの基本イメージです。
コンバインが使われる具体的な場面
インボイスとB/Lのコンバイン
輸出でよくあるのが、1社が複数回に分けて商品を出荷し、それを1本のインボイスやB/Lにまとめるケースです。こうすることで、請求や通関手続きが簡単になります。一般的にコンバインというとこの内容が該当します。
例:
- 出荷1:靴100足(B/L A)
- 出荷2:靴150足(B/L B)
- → 合わせて1つのインボイス・B/Lにまとめて輸出
輸入通関時のコンバイン
同じ輸入者が複数の船便や航空便で商品を受け取る場合、それぞれの貨物を一つの輸入申告書にまとめて処理(コンバイン)できます。これにより、関税や通関手数料を節約できる場合があります。
コンテナ輸送のコンバイン
LCL(混載コンテナ)の場合、異なる荷主の貨物を1本のコンテナにまとめるのも広義のコンバインと呼ばれることがあります。コスト削減や効率的な輸送が目的です。
コンバインのメリット・デメリット
メリット
- 通関手続きが簡素化される
- 費用の節約(通関費用・運賃など)
- 一括請求・支払いが可能に
デメリット
- 調整が複雑になる場合がある
- タイミングが合わないと待ち時間が発生
- 書類ミスがあると全体に影響
よくある質問(Q&A)
Q1:コンバインできる条件はありますか?

A:税関や運送会社によって条件が決まっています。例えば、同一輸入者・同一仕向地・同一品目など、共通点が必要です。
Q2:コンバインとコンソリデーションは違うんですか?

A:似ていますが、少し違います。コンソリデーション(Consolidation)は貨物のまとめ作業全般を指すのに対し、コンバインは主に書類や通関処理をまとめることに重点を置いた言葉です。
Q3:通関士試験に出ますか?

A:通関士試験に出題される内容ではありませんが、「貨物や書類のまとめ方」として理解しておくと通関実務に強くなります。
まとめ:コンバインは貿易業務の効率化に役立つ!
「コンバイン」は、貿易実務において書類や貨物を効率よくまとめるための大切な考え方です。実務に触れる前に知っておくことで、よりスムーズに業務や学習を進められます。
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