「ノミネーション」とは?意味・使い方をわかりやすく解説!

貿易業務を学び始めると、専門用語がたくさん出てきますよね。その中でも「ノミネーション(Nomination)」という言葉、聞いたことはあるでしょうか?
「なんとなく難しそう」「英語っぽいけど意味がよく分からない」――そんな不安を持つ初心者の方に向けて、この記事ではノミネーションの意味や使われる場面、よくある質問までをやさしく解説します。
通関士試験を目指す方や、これから貿易の仕事に関わる方のスキルアップに役立つ内容です!
ノミネーションとは?【やさしく解説】
ノミネーションの意味
ノミネーション(Nomination)とは、直訳すると「指名する」「推薦する」という意味です。
貿易実務の中では、「特定のフォワーダーや船会社、航空会社などを選んで指定すること」を指します。
たとえば、輸出者が「このフォワーダーを使ってください」と輸入者に伝えたり、輸入者が「この船会社を使ってね」と輸出者に依頼したりするケースがよくあります。
こんなときに使用する
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インコタームズFOB条件で、買主(輸入者)がフォワーダーをノミネート(指名) 
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信用状(L/C)の中で、指定された船会社しか使えないという条件 
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輸出者が「レター・オブ・ノミネーション(Nomination Letter)」を受け取ってフォワーダーを決定する場面 
ノミネーションの具体例で理解しよう
ちょっとイメージしづらいという方は、以下のようなケースを見てみましょう。
【例】FOB条件でのノミネーション

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輸出者:日本の靴メーカー 
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輸入者:アメリカの小売店 
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インコタームズ:FOB(本船渡し) 
この場合、輸出者は「港までの輸送」までが担当。
本船の手配は買主(輸入者)が行うため、アメリカ側が「フォワーダーA社を使ってね」と指名(=ノミネーション)します。
輸出者は、その指名されたフォワーダーに連絡して、出荷の手続きを進めていきます。
インコタームズがよく分からないという方はこちらの記事をご覧ください👉

ノミネーションとよく一緒に出てくる用語
以下の言葉と一緒に覚えておくと理解が深まります!
| 用語 | 説明 | 
|---|---|
| フォワーダー | 輸出入業者の代わりに輸送手配を行う業者 | 
| インコタームズ | 国際取引における買主と売主の責任分担を定めたルール | 
| 信用状(L/C) | 支払い保証のある取引条件で使う書類 | 
| レター・オブ・ノミネーション | 指定された業者や条件を記した書類(L/Cに添付されることも) | 
ノミネーションのメリットと注意点
メリット
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信頼できるフォワーダーを使えるため手間が掛からない 
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品質や運賃の管理がしやすい 
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運送トラブルが起きにくくなる 
デメリット・注意点
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指名された側は選択の自由が少なくなる 
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手配の調整に時間がかかる場合がある 
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選択する業者によってはコストが高くなる可能性がある 
よくある質問(Q&A)
Q1:誰が誰をノミネートするの?

A:インコタームズによって異なります。
たとえば、FOBなら「買主(輸入者)」がフォワーダーや船会社をノミネートします。CIFなら「売主(輸出者)」が手配を行うため、基本的にノミネートする立場になります。
Q2:ノミネーションレターって何のためにあるの?

A:ノミネーション内容を書面で確認するためです。
フォワーダーや運送会社を明確に記載することで、誤解やトラブルを防ぎます。L/C(信用状)の条件としても使用されることがあります
Q3:通関士試験に出ますか?

A:ノミネーションそのものは出題されません。貿易知識として押さえておくと実務で応用が効きます!
まとめ:ノミネーションを知れば、貿易実務の流れがスムーズに!
ノミネーションは、「誰がどの運送業者を使うか」を明確にするための重要なステップです。
インコタームズやL/Cなどと深く関係しており、理解しておくことで輸送手配や通関業務がスムーズになります。
初心者のうちから「ノミネーション」という考え方を知っておくと、実務での対応力がぐっと上がりますよ!
もっと貿易について知りたい方はこちらの本も参考にしてみてください👉

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