関税率表の分類試験対策:第16類~第24類を徹底解説!
通関士試験の勉強を始めたばかりの方や、試験対策の進め方に悩んでいる方へ。本シリーズでは、試験合格に向けて役立つ情報を講義形式でわかりやすく解説していきます!
今回は、関税率表の第4部(第16類~第24類)に注目。食品や飲料に関連する品目が多く、試験での頻出範囲でもあるこの部分をしっかり押さえていきましょう。
この記事でわかること
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関税率表とは何か
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第4部(第16類~第24類)の特徴とポイント
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各「類」の分類例と試験対策のヒント
関税率表って何?
関税率表は、輸出入される物品に課される関税率を決定するための品目分類表です。
この表は、「部」と「類」に分かれており、全部で21部・97類に分類されています。
通関士試験では、ある品目がどの分類に該当するかを見極めて、適切な関税率を適用する力が求められます。特に、第16類~第24
類は身近な商品が多く、分類を問う問題で頻繁に登場します。
第4部(第16類~第24類)にはどんな品目が含まれている?
第4部には、私たちの生活に深く関わる食品・飲料・調製品が多く含まれています。これらの品目は日常的に目にする機会が多いため、分類の理解がしやすい反面、似た品目同士の区別が難しいこともあります。
また、「調製品(ちょうせいひん)」と呼ばれるカテゴリーが多数含まれており、加工の有無・使用原料・含有成分などによって分類が細かく分かれています。
通関士試験対策:第16類~第24類を解説!
第16類:肉、魚、甲殻類、軟体動物または昆虫類の調製品
第16類 肉、魚、甲殻類、軟体動物若しくはその他の水棲せい無脊椎動物又は昆虫類の調製品
注
1 この類には、第2類、第3類、第4類の注6又は第 05.04 項に定める方法により調製
し又は保存に適する処理をした肉、くず肉、魚、甲殻類、軟体動物及びその他の水 棲せい
無脊椎動物並びに昆虫類を含まない。
2 ソーセージ、肉、くず肉、血、昆虫類、魚又は甲殻類、軟体動物若しくはその他の水棲せい無脊椎動物の一以上を含有する調製食料品で、これらの物品の含有量の合計が全重量の
20%を超えるものは、この類に属する。この場合において、これらの物品の二以上を含
有する調製食料品については、最大の重量を占める成分が属する項に属する。前段及び
中段のいずれの規定も、第19.02項の詰物をした物品及び第21.03項又は第21.04項の
調製品については、適用しない。号注
1 第1602.10 号において「均質調製品」とは、微細に均質化した肉、くず肉、血又は昆
虫類から成る乳幼児用又は食餌療法用の調製品(小売用のもので正味重量が 250 グラム
以下の容器入りにしたものに限る。)をいう。この場合において、調味、保存その他の目
的のために当該調製品に加えた少量の構成成分は考慮しないものとし、当該調製品が少
量の肉、くず肉又は昆虫類の目に見える程度の細片を含有するかしないかを問わない。
同号は、第16.02項の他のいかなる号にも優先する。
2 第16.04 項又は第 16.05 項の号において、慣用名のみで定める魚並びに甲殻類、軟体
動物及びその他の水棲せい無脊椎動物は、第3類において同一の慣用名で定める魚並びに甲
殻類、軟体動物及びその他の水棲せい無脊椎動物と同一の種に属する。備考
1 第1605.69 号の細分において「うに」又は「くらげ」とは、それぞれ、この類の号注
2の規定により第1605.62 号に属するうに以外のもの又は第1605.63号に属するくらげ
以外のものをいう。
試験対策ポイント
- 昆虫類は2022年のHSコード改正により新たに追加されました。この点は試験においても頻出です。
- 動物性の調整品が含まれる場合、その含有量が全体の20%以上であればこの類に該当します。この数字も試験によく出題されるので覚えておきましょう。
- 注2:第19.02 項の詰物をした物品とは、(スパゲッティ、マカロニ、ラビオリなど)、第 21.03 項の物品とは、(ソース、ソース用調整品など)、第 21.04 項(スープ、スープの調整品など)です。この類については、「20%を超えるもの」という規定は適用されないので、覚えておきましょう。
第17類:糖類及び砂糖菓子
第17類 糖類及び砂糖菓子
注
1 この類には、次の物品を含まない。
⒜ ココアを含有する砂糖菓子(第18.06項参照)
⒝ 第 29.40 項の糖類(化学的に純粋なものに限るものとし、しよ糖、乳糖、麦芽糖、
ぶどう糖及び果糖を除く。)その他の物品
⒞ 第30類の医薬品その他の物品号注
1 第1701.12 号、第1701.13号及び第1701.14号において「粗糖」とは、乾燥状態にお
いて、全重量に対するしよ糖の含有量が、検糖計(旋光度を測定するものに限る。)の読
みで99.5度未満に相当する砂糖をいう。
2 第 1701.13 号の物品には、分蜜をすることなく得た甘しや糖で、乾燥状態において、
全重量に対するしよ糖の含有量が、検糖計の読みで69度以上93度未満に相当するもの
のみを含む。この物品は、糖蜜その他のさとうきびの組成分から成る残留物に取り囲ま
れたもので、肉眼により判別できない天然の他形の微結晶(不規則な形のものに限る。)
のみを有するものである。備考
1 この表において「砂糖を加えたもの」には、糖みつ、人造はちみつその他これらに類
する砂糖を含有する物品を加えたものを含む。
2 号注1の規定は、車糖、でん粉を加えた粉糖及びこれらに類する砂糖には適用しない。
試験対策ポイント
- ココアを含む砂糖菓子は第18類に分類されます。ココアが優先されるため、この点をしっかりと押さえておく必要があります!
第18類:ココア及びその調製品
第18類 ココア及びその調製品
注
1 この類には、次の物品を含まない。
⒜ ソーセージ、肉、くず肉、血、昆虫類、魚又は甲殻類、軟体動物若しくはその他の
水棲せい 無脊椎動物の一以上を含有する調製食料品で、これらの物品の含有量の合計が全
重量の20%を超えるもの(第16類参照)
⒝ 第04.03項、第19.01項、第19.02項、第19.04項、第19.05項、第21.05項、第
22.02 項、第22.08項、第30.03項又は第30.04項の調製品
2 第18.06 項には、ココアを含有する砂糖菓子及び、1の調製品を除くほか、ココアを
含有するその他の調製食料品を含む。
試験対策ポイント
- ココアはこの類に分類され、特に砂糖菓子に含まれる場合などが例外として扱われます。第19.05は、パン、ペーストリー、ケーキ、ビスケットなど、第21.05は、アイスクリームなどです。このようなものはココアを含んでいても、第18類ではなく、各類に部類されるということです!
第19類:穀物、穀粉、でん粉及びベーカリー製品
第19類 穀物、穀粉、でん粉又はミルクの調製品及びベーカリー製品
注
1 この類には、次の物品を含まない。
⒜ ソーセージ、肉、くず肉、血、昆虫類、魚又は甲殻類、軟体動物若しくはその他の
水棲せい 無脊椎動物の一以上を含有する調製食料品で、これらの物品の含有量の合計が全
重量の20%を超えるもの(第16類参照。第19.02項の詰物をした物品を除く。)
⒝ 飼料用のビスケットその他の穀粉又はでん粉の調製飼料(第23.09項参照)
⒞ 第30類の医薬品その他の物品
2 第19.01項において次の用語の意義は、それぞれ次に定めるところによる。
⒜ 「ひき割り穀物」とは、第11類の「ひき割り穀物」をいう。
⒝ 「穀粉」及び「ミール」とは、次の物品をいう。
⑴ 第11類の穀粉及びミール
⑵ 他の類の植物性の粉及びミール(乾燥野菜(第07.12項参照)、ばれいしよ(第11.05
項参照)又は乾燥した豆(第11.06項参照)の粉及びミールを除く。)
3 第19.04項には、完全に脱脂したココアとして計算したココアの含有量が全重量の6%
を超える調製品及び第 18.06 項のチョコレートその他のココアを含有する調製食料品で
完全に覆つた調製品を含まない(第18.06項参照)。
4 第19.04項において「その他の調製をしたもの」とは、第10類又は第11類の項又は
注に定める調製又は加工の程度を超えて調製又は加工をしたものをいう。
試験対策ポイント
- この類にはパンやケーキなどのベーカリー製品が含まれます。特にココアや他の調製品と混同しやすいため、しっかりと確認しておきましょう。
第20類:野菜、果実、ナットその他植物の部分の調製品
第20類 野菜、果実、ナットその他植物の部分の調製品
注
1 この類には、次の物品を含まない。
⒜ 第7類、第8類又は第11類に定める方法により調製し又は保存に適する処理をした
野菜、果実及びナット
⒝ 植物性油脂(第15類参照)
⒞ ソーセージ、肉、くず肉、血、昆虫類、魚又は甲殻類、軟体動物若しくはその他の
水棲せい 無脊椎動物の一以上を含有する調製食料品で、これらの物品の含有量の合計が全
重量の20%を超えるもの(第16類参照)
⒟ 第19.05項のベーカリー製品その他の物品
⒠ 第21.04項の均質混合調製食料品
2 第20.07 項及び第 20.08 項には、フルーツゼリー、フルーツペースト、砂糖で覆つた
アーモンドその他これらに類する物品で、砂糖菓子の形状のもの(第 17.04 項参照)及
びチョコレート菓子の形状のもの(第18.06項参照)を含まない。
3 第20.01項、第 20.04項及び第20.05項には、第7類、第 11.05項又は第11.06項の物
品(第8類の物品の粉及びミールを除く。)で1⒜に定める方法以外の方法により調製し
又は保存に適する処理をしたもののみを含む。
4 トマトジュースで含有物の乾燥重量が全重量の7%以上のものは、第 20.02 項に属す
る。
5 第20.07 項において「加熱調理をして得られたもの」とは、水分を減らすことにより
又はその他の手段により粘性を増すために、大気圧における又は減圧下での熱処理によ
り得られたものをいう。
6 第20.09 項において「発酵しておらず、かつ、アルコールを加えてないもの」とは、
アルコール分(第22類の注2参照)が全容量の0.5%以下のものをいう。号注1
第2005.10 号において「均質調製野菜」とは、微細に均質化した野菜から成る乳幼児
用又は食餌療法用の調製品(小売用のもので正味重量が250 グラム以下の容器入りにし
たものに限る。)をいう。この場合において、調味、保存その他の目的のために当該調製
品に加えた少量の構成成分は考慮しないものとし、当該調製品が少量の野菜の目に見え
る程度の細片を含有するかしないかを問わない。同号は、第 20.05 項の他のいかなる号
にも優先する。
2 第2007.10 号において「均質調製果実」とは、微細に均質化した果実から成る乳幼児
用又は食餌療法用の調製品(小売用のもので正味重量が250 グラム以下の容器入りにし
たものに限る。)をいう。この場合において、調味、保存その他の目的のために当該調製
品に加えた少量の構成成分は考慮しないものとし、当該調製品が少量の果実の目に見え
4-20 注-1
る程度の細片を含有するかしないかを問わない。同号は、第 20.07 項の他のいかなる号
にも優先する。
3 第2009.12号 、第 2009.21号 、第 2009.31号 、第 2009.41号 、第 2009.61号及び第2009.71
号において「ブリックス値」とは、温度20度におけるブリックスハイドロメーター又は
屈折計(屈折率をしよ糖含有率(ブリックスの値)として目盛られたものに限る。)の読
み値(温度20度と異なる温度で測定した場合には、温度20度における値に補正したも
の。)をいう。
試験対策ポイント
- (注4) トマトジュースについては試験では7%以上の含有物について問われることが多いです。この割合を覚えておくと良いでしょう。
- (注6) アルコール飲料は0.6%以上となります。輸出入申告書作成の問題でも過去出題されておりますので、飲料物やノンアルコール飲料は0.5%以下、アルコール飲料は0.6%以上ですので、覚えておいてください。
第21類:各種の調製食料品
第21類 各種の調製食料品
注
1 この類には、次の物品を含まない。
⒜ 第07.12項の野菜を混合したもの
⒝ コーヒーを含有するコーヒー代用物(いつたものに限るものとし、コーヒーの含有
量のいかんを問わない。第09.01項参照)
⒞ 香味を付けた茶(第09.02項参照)
⒟ 第09.04項から第09.10項までの香辛料その他の物品
⒠ ソーセージ、肉、くず肉、血、昆虫類、魚又は甲殻類、軟体動物若しくはその他の
水棲せい 無脊椎動物の一以上を含有する調製食料品で、これらの物品の含有量の合計が全
重量の20%を超えるもの(第16類参照。第21.03項及び第21.04項のものを除く。)
⒡ 第24.04項の物品
⒢ 酵母で、第30.03項又は第30.04項の医薬品その他の物品にしたもの
⒣ 第35.07項の調製した酵素
2 1⒝のコーヒー代用物のエキスは、第21.01項に属する。
3 第21.04 項において「均質混合調製食料品」とは、二以上の基礎的な構成成分(例え
ば、肉、魚、野菜、果実及びナット)から成る混合物を微細に均質化したものから成る
乳幼児用又は食餌療法用の調製品(小売用のもので正味重量が 250 グラム以下の容器入
りにしたものに限る。)をいう。この場合において、調味、保存その他の目的のために当
該混合物に加えた少量の構成成分は考慮しないものとし、当該調製品が少量の構成成分
の目に見える程度の細片を含有するかしないかを問わない。
試験対策ポイント
- インスタントコーヒーなどがこの類に分類されます。コーヒー自体は第9類に分類されます。
第22類:飲料、アルコール及び食酢
第22類 飲料、アルコール及び食酢
注
1 この類には、次の物品を含まない。
⒜ 料理用に調製したこの類の物品(第22.09項のものを除く。)で飲料に適しない処理
をしたもの(主として第21.03項に属する。)
⒝ 海水(第25.01項参照)
⒞ 蒸留水、伝導度水その他これらに類する純水(第28.53項参照)
⒟ 酢酸の水溶液(酢酸の含有量が全重量の10%を超えるものに限る。第29.15項参照)
⒠ 第30.03項又は第30.04項の医薬品
⒡ 調製香料及び化粧品類(第33類参照)
2 第20類からこの類までにおいてアルコール分は、温度20度におけるアルコールの容
量分による。
3 第22.02項において「アルコールを含有しない飲料」とは、アルコール分が0.5%以下
の飲料をいう。アルコール飲料は、第22.03項から第22.06項まで又は第22.08項に属
する。
号注
1 第2204.10号において「スパークリングワイン」とは、温度20度における密閉容器内
のゲージ圧力が3バール以上のぶどう酒をいう。
試験対策ポイント
- 海水や蒸留水はこの類には含まれないことを覚えておきましょう。
第23類:食品工業における残留物及び調製飼料
第23類 食品工業において生ずる残留物及びくず並びに調製飼料
注
1 第23.09 項には、植物性又は動物性の材料をその特性が消失する程度に処理して得た
飼料用に供する種類の物品(植物のくず、植物のかす及び当該処理の際に生ずる副産物
を除く。)で、他の項に該当しないものを含む。
号注
1 第2306.41 号において「菜種油かす(低エルカ酸のもの)」とは、第12類号注1に定
義される種のものをいう。
第24類:たばこ及び製造たばこ代用品
第24類 たばこ及び製造たばこ代用品、非燃焼吸引用の物品(ニコチンを含有するか
しないかを問わない。)並びにニコチンを含有するその他の物品(ニコチンを
人体に摂取するためのものに限る。)
注
1 この類には、薬用の紙巻たばこを含まない(第30類参照)。
2 第24.04 項及びこの類の他の項に同時に属するとみられる物品は、第24.04項に属す
る。
3 第24.04 項において「非燃焼吸引」とは、加熱供給その他の方法を通じた吸引で、燃
焼を伴わないものをいう。
号注
1 第2403.11 号において「水パイプたばこ」とは、水パイプで喫煙するためのものであ
つて、たばこ及びグリセリンの混合物から成るたばこをいう(芳香油若しくは芳香エキ
ス、糖蜜若しくは砂糖を含有するかしないか又は果実により香味を付けてあるかないか
を問わない。)。ただし、この号には、水パイプで喫煙するためのものであつて、たばこ
を含有しない物品を含まない。
※出典 税関HP https://www.customs.go.jp/zeikan/seido/classification/hs2022_shiryo.pdf
試験対策ポイント
- 特にニコチンを含む物品の分類に注意が必要です。2022年の改正で、加熱式たばこや電子たばこが新たに分類されました。これも試験で出題される可能性があります。
【通関士試験対策】 過去問チャレンジ
通関士試験対策のポイント
通関士試験では、これらの分類に関連した問題がよく出題されます。特に、「○○類に含まれないものを選べ」といった問題が出やすいため、過去問を使って繰り返し学習することが大切です。また、類注(注釈)を確認することで、細かい例外や規定を覚えることができ、試験本番でも慌てずに対応できます。
以下の対策を実践して、効果的に学習を進めましょう。
- 過去問を解く:過去に出題された問題を解き、出題傾向を把握しましょう。
- 類注を確認する:各類の注釈をしっかりと確認し、特に例外となる品目を押さえておきましょう。
- 関連する資料を参照する:税関の公式サイトや最新のHSコード改正に関する情報を積極的にチェックしましょう。
まとめ 通関士試験の勉強を効率よく進めよう!
関税率表の第16類~第24類は、日常的に目にする食品や飲料が多く含まれており、試験対策においても非常に重要な分類です。これらの分類を理解し、過去問を繰り返し解くことで、試験に自信を持って臨むことができるでしょう。また、実務にも役立つ知識ですので、貿易業務に携わる方はぜひしっかりと押さえておきましょう。
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