NACCS法(電子情報処理組織による輸出入等関連業務の処理等に関する法律)とは?
通関士試験では「関税法」や「関税定率法」に加えて、「NACCS法(ナックス法)」からの出題も見逃せません。
この記事では、NACCS法の定義・制度の仕組み・通関士との関わりについて、条文ごとにポイントを整理し、試験に出やすい要点をやさしく解説します。
NACCS法とは?
「NACCS法」とは、電子情報処理組織(通称:NACCS)を通じて行う輸出入関連手続の効率化と、それを担う株式会社の運営ルールを定めた法律です。
主に以下の目的があります:
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税関手続・港湾物流手続の電子化
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貨物の流通や人の往来の円滑化
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日本産業の国際競争力強化
NACCS法|出題頻度の高い条文と試験ポイント一覧
条文 | 内容 | 試験キーワード |
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第1条 | NACCS法の目的(定義) | 電子情報処理組織/国際競争力 |
第3条 | 電子申請における他法(情報通信技術活用法)の準用 | 到達=申請受付/処分通知の効力 |
第5条 | NACCS使用時の通関士による審査義務 | 出力・審査・識別符号・記録保存など |
【第1条】NACCS法の目的と定義
NACCS法 第1条
この法律は、電子情報処理組織による税関手続その他の輸出入等に関連する手続の迅速かつ的確な処理に資する事項及び輸出入・港湾関連情報処理センター株式会社の業務の適正な運営を確保するために必要な措置を定めることにより、我が国の港湾及び空港における貨物の流通及び人の往来の円滑化を図り、もつて我が国の産業の国際競争力の強化に寄与することを目的とする。
NACCS法 第2条
この法律において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。
1. 電子情報処理組織 輸出入・港湾関連情報処理センター株式会社の使用に係る電子計算機と税関その他の関係行政機関の使用に係る電子計算機及び当該関係行政機関以外の輸出入等関連業務を行う者の使用に係る電子計算機とを電気通信回線で接続した電子情報処理組織をいう。
…
3. 関税等とは、関税、とん税、特別とん税及び輸入品に対する内国消費税の徴収等に関する法律(昭和三十年法律第三十七号)第二条第一号(定義)に規定する内国消費税をいう
概要:
第1条と2条ではNACCS法の基本目的と、重要な定義がまとめられています。
📝 試験対策ポイント:
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NACCSで出来るもの出来ないものを理解する。
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電子情報処理組織:株式会社NACCSが運営するシステムと、税関・行政機関・民間事業者の端末がつながったネットワーク全体。
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関税等:関税・とん税・特別とん税・内国消費税を含む。
【第3条】情報通信技術活用法の準用
NACCS法 第3条
第一号に規定する電子情報処理組織を使用して行う申請等又は処分通知等については、当該電子情報処理組織を情報通信技術活用法第六条第一項(電子情報処理組織による申請等)に規定する電子情報処理組織とみなして、同条又は情報通信技術活用法第七条(電子情報処理組織による処分通知等)の規定を適用する。この場合において、情報通信技術活用法第六条第三項中「当該申請等を受ける行政機関等」とあるのは「輸出入・港湾関連情報処理センター株式会社」と、「当該行政機関等」とあるのは「当該申請等を受ける行政機関等」とする。
概要:
電子申請や処分通知に関して、NACCS上で行われる申請等についても「情報通信技術活用法」が準用されます。
📝 試験対策ポイント:
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到達=申請者が提出したとみなされるタイミング
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税関等の通知も電子情報処理組織で時点で有効になる
【第5条】通関士の審査義務(通関業者がNACCSを使う場合)
NACCS法 第5条
通関業者は、第三条第一項の規定により適用される情報通信技術活用法第六条第一項(電子情報処理組織による申請等)の規定により電子情報処理組織を使用して他人の依頼による申告等(通関業法(昭和四十二年法律第百二十二号)第十四条(通関士の審査等)に規定する通関書類を提出することにより行うべきこととされている申告等に限る。)を行う場合には、政令で定めるところにより、当該申告等の入力の内容を通関士に審査させなければならない。
概要:
通関業者がNACCSを使って通関申告を行う場合、通関士による審査が義務付けられています。
そのため、入力内容は通関士が画面上または紙面で審査し、さらに審査済みであることを記録する必要があります。
📝 試験対策ポイント:
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通関士が「紙面」または「入出力装置の表示」で審査
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審査の証明として「通関士識別符号」を使用
【通関士試験対策】過去問チャレンジ!
ここでは、NACCS法に関する過去問や予想問題を掲載予定です。試験前の最終チェックにも役立ちます。
まとめ:NACCS法のポイント!
NACCS法は出題頻度は高くなく、また、出題されても基礎的な問題が多いため、あまり深く勉強しすぎる必要はありません。
試験対策では以下をおさえておきましょう。
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第1条:電子情報処理組織の定義と制度目的
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第3条:情報通信技術活用法の準用(申請の到達・通知の発信)
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第5条:通関士による審査の義務と記録方法
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