税関検査をする理由と対処法をやさしく解説
「税関検査って何をされるの?」「もし選ばれたらどうすればいいの?」
突然の税関検査に不安を感じる方は多いのではないでしょうか。
この記事では、これから貿易業務を行う方や初心者の方向けに、税関検査の基本から対応の流れ、検査の種類や心構えまでをわかりやすく解説します。
税関検査とは?初心者でもわかる基本知識
税関検査ってなに?
税関検査とは、日本の税関が輸出入される貨物や空港での手荷物をチェックする手続きです。主な目的は、以下の通りです。
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関税の適正な徴収
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輸出入が禁止・制限されている貨物の取り締まり
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密輸など違法行為の防止
検査される対象は?
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空港や港での個人の手荷物
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商業貨物(コンテナ貨物など)
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郵便や国際宅配便で送られる貨物
検査は無作為(ランダム)で行われる場合も多く、不正をしていなくても選ばれることがあります。
なぜ税関検査に選ばれるの?その理由と種類
「なぜ自分が選ばれたの?」と感じる方も多いはず。実は税関検査にはいくつかのパターンがあります。
検査の理由
理由 | 内容 |
---|---|
無作為抽出(ランダム検査) | 抜き打ちでランダムに選ばれる |
書類の不備 | インボイスや申告内容に不明点がある |
リスク評価による抽出 | 輸出入者や貨物の種類に基づくリスク分析で選定 |
過去の実績 | 問題歴がある事業者が重点的にチェックされる |
検査の種類
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X線検査:貨物をX線に通して確認
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開披検査:貨物を開けて中身を直接確認
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呼び出し検査:書類や本人を呼び出して詳細確認
💡MEMO:
「中古品」「ブランド品」「高額商品」などは、税関のチェック対象になりやすいので注意が必要です。
税関検査の流れ(輸出入貨物・空港別)
貿易貨物の場合(例:コンテナ輸入)
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NACCS(通関システム)で検査通知が届く
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指定された検査場所に貨物を移動
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税関職員立ち会いのもとで開披検査またはコンテナごとX線装置を通し検査
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結果により通関許可または修正指導 or コンテナを開梱し再度検査
空港での手荷物検査
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入国時、職員に呼び止められる
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手荷物のX線検査・中身確認
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違反がなければ解放、不備あれば課税または没収
ポイント:
「検査対象になる=違反している」というわけではありません。冷静に、正直に対応すれば問題ありません。
税関検査で慌てないための準備と対応方法
税関検査にスムーズに対応するためには、事前の準備がとても大切です。
検査に備えて準備しておきたいこと
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書類を正確に用意・提出
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インボイス(送り状)
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パッキングリスト(梱包明細)
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通関依頼書類(通関業者が準備)
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貨物の中身と数量を把握
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担当者が中身を説明できるようにしておく
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商品の仕様や用途も答えられるように
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トラブルになりやすい例
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中古の電子機器 → 検査対象になりやすい
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ギフト扱いの手荷物 → 中身の証明が必要なことも
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Q&A|税関検査に関するよくある質問
Q1. ランダム検査に選ばれたら拒否できますか?

A:いいえ。
税関検査は法律に基づいて行われるため、拒否することはできません。
Q2. 税関検査って時間がかかりますか?

A:場合によります。
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空港の手荷物検査:5〜20分程度
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貿易貨物の開披検査:数時間〜半日以上かかることも
Q3. 検査対象になると記録が残りますか?

A:基本的には記録はされません。
ただし、不備や違反があると通関履歴に影響を与えることがあります。
まとめ|「正直・冷静・準備万端」で税関検査も怖くない
税関検査は、不正や違法行為を防ぐための大切なプロセスです。突然選ばれても、堂々と、冷静に、正直に対応することが何よりの対策になります。
初心者の方でも、今回ご紹介した内容を押さえておけば、いざという時も慌てず対応できます。
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